No.5 IPMモータってどんなモータ?
- IPMギアモータは、専用インバータを使って安定した回転が得られる同期モータです。負荷変動に対する回転の変化を気にする用途で性能を発揮します。㈱ニッセイのIPMギアモータは出力0.1kW~2.2kWまで、平行軸、直交軸、同心中空・中実軸など幅広くラインアップしています。
特徴
IPMギアモータはモータ内部に永久磁石が埋め込まれている同期電動機で、設定周波数に同期して回転します。
このため、ある程度負荷が変動しても同期回転数は変わりません。また効率が良いので発熱も下がります。
※IPMモーター:Interior Permanent Magnet(磁石埋込式)の同期モーターです 。
高効率なIPMギアモータ
IPMギアモータは、回転子に電流が流れないため二次銅損がありません。
そのため、従来のインダクションモータに比べて内部損失がおよそ50%軽減され、モータ単体としてはIE3を超える高効率モータです。
※IE3(超高効率)…IEC60034-30 インダクションモータ効率等級
インバータ制御では、インバータの出力電圧と電流値からモータ速度を検出します。
また、負荷がかかった時の電流を最小限に抑える制御により、IE2を超える高効率を実現します。
ファンレスで低騒音・コンパクト
高効率化により、0.75kW以下の機種はファンレスのため低騒音でコンパクトになりました。
モータ全長寸法、質量が低減され、小型・軽量化を実現しました。
専用ケーブル不要、配線が簡単
一般のインダクションモータと同じく3芯動力ケーブルのまま配線します。
IPMギヤアモータはセンサーを使用していないので、特別なケーブルを必要とせず安価でシンプルです。
※配線距離は30m以下を目安にご使用ください
インバータと使用されていて、発熱に不満がある、トルク変動により回転数が安定しないといった場合、
配線はそのままで、IPMモーター(取付互換有り)と専用インバータに付け替えていただくだけで解消できます。
製品ラインアップ
ギアは脚取付タイプ、フランジタイプ、直交タイプ、中空・中実タイプがあり、用途に応じてお選びいただけます。
屋内・屋外タイプでいずれも電磁ブレーキ付きがあります。
製品機種 | シリーズ | 減速比 | カタログPDF |
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![]() 平行軸 G3 脚取付タイプ フランジ取付タイプ |
5~1200 |
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![]() 直交軸 H2 脚取付タイプ |
5~1500 |
![]() (2,022KB) ダウンロード |
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![]() 中空軸 FS 中実軸 FF 脚取付タイプ |
FS:5~1500 FF:5~240 |
![]() (1,502KB) ダウンロード |
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![]() 同心中空軸 F3S 同心中実軸 F3F 脚取付タイプ |
F3S:5~1200 F3F:5~240 |
おすすめの用途
- インバータ駆動でモータの発熱が気になる用途
- インバータ駆動で負荷による回転の不安定が気になる用途
- インダクションモータと比べ、小型軽量なモータが必要な用途
- ブラシレスモータの速度安定は気に入っているが、もっと高出力が必要な用途
専用インバータの機能(速度制御タイプ)
- 最大16速設定(多段速指令15速、本体設定1速)
- 当て止め機能、当て押し機能
- トルクリミット機能
- 過トルク検出機能
- 簡易サーボロック
速度設定・周波数表示
最大16速の速度設定ができます。PLCなどの上位コントローラから設定速度を選択してください。
当て止め・当て押し機能
減速→当て止め→当て押しの一連の動作を一つの入力信号で動かすことができます。
当て止め状態完了の信号はインバータから出力させます。ワークの簡易位置決め用途におすすめです。
トルクリミット機能
トルクリミット機能は、モータの発生するトルクに制限をかけます。力行(リキコウ)時と回生時のそれぞれに、2つまでトルク制限設定することができます。これらは当て止め運転中のトルクリミット値とは別に設定できます。
設定した検出レベル以上のトルクが発生した際、アラーム出力させたりインバータトリップさせることができるため、装置の破損を防止することができます。
IPMギアモータの一部をご紹介しましたが、インダクションモータとIPMギアモータの使い分けや製品選定など、
是非お気軽にお問い合わせください。
- 技術サポート