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No.20 ご存知ですか? 工場の『省エネ』・『CO2削減』に貢献する、IPMモータとブラシレスモータ










深刻化する地球温暖化や気候変動への対応として、二酸化炭素を始めとする温室効果ガス(GHG)削減への取り組みが世界中で行われています。モノづくりの現場でも『CO2ゼロ工場』という言葉が生まれるなど、さまざまな活動が進められています。『CO2ゼロ工場』と言っても実際にCO2の発生をゼロにすることはできないので、製造時に消費するエネルギーの「削減」と太陽光発電などによる再生可能エネルギーを「つくる・使う」ことによって、CO2の排出量が"実質的"にゼロとなる工場を意味します。そこで今回は製造時に消費するエネルギーの削減に貢献する高効率モータ『IPMモータ』と『ブラシレスモータ』をご紹介します。

今、あらためて求められる高効率モータ

少子高齢化による労働力不足や新型コロナウィルス感染防止を目的に世界中で無人化・自働化が推進されています。これによりさまざまな機器の駆動源となるモータの需要も増加しており、同時にエネルギーの消費も増加しています。

世界電力使用量の半分以上がモータアプリケーション

国際エネルギー機関 IEA(International Energy Agency)が発行しているWorld Energy Outlookの2016年版によると、モータの需要が世界的に増加し、世界の電力使用量の53%がモータアプリケーションであると示されています。モータの中でも汎用性の高い誘導電動機(インダクションモータ)はさまざまな装置で使われていて出荷台数が多いため、世界中で誘導電動機のエネルギー効率規制が施行されています。特にEUと中国は厳しく、他の国や地域はモータの出力範囲の下限を0.75kW(750W)としているところ0.12kW(120W)まで引き下げ、小型モータの領域まで対象にしています。

主要国のエネルギー効率規制の現状はこらちをご覧ください⋙

工場内に多いモータを駆動源とする設備

日本でも2015年に省エネ法のトップランナー制度にモータが導入され、高効率モータの普及が進められています。対象は三相誘導電動機の0.75kW以上、375kW以下です。トップランナー制度への導入は10年程前ですが、現在でも産業部門の省エネ対策としては高効率モータの導入やインバータによる運転パターンの最適化など、モータを切り口とした対策の推奨・提案が多く見られます。工場の中にはモータを駆動源とする設備(円グラフ 動力・搬送設備やポンプ・ファンなど)が多く、高効率化することによる効果は非常に高いと考えられます。

 出典:富士経済グループ 産業施設におけるエネルギー消費実態を調査 機器別の電力消費量


工場の『省エネ』・『CO2削減』に貢献する、IPMモータとブラシレスモータ

誘導電動機に関する動向やエネルギー効率規制についてご説明してまいりました。ここからは、その誘導電動機より省エネやCO2排出量削減に効果的な高効率モータ『IPMモータ』と『ブラシレスモータ』についてご紹介します。

そもそもIPMモータ・ブラシレスモータとは

IPMとブラシレス。名称は全く異なりますが、両方とも高効率という特徴があります。どこに共通点があるのでしょうか?答えはロータ(回転子)です。IPMモータとブラシレスモータはロータ永久磁石(Permanent Magnet)を使用しています。永久磁石を使用したモータはPMモータと呼ばれ、さらに磁石がロータの内側に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)モータと、表面に貼り付けたSPM(Surface Permanent Magnet)モータに分かれます。ブラシレスモータは表面に磁石を貼り付けているのでSPMモータです。

・なぜ"ブラシレス"モータ?
・そもそもブラシってなに?
・逆にブラシ付きモータはあるの?
などなど。ブラシレスモータに関する疑問を解説。詳しくはこちらをご覧ください。
おしえて!照代さん「ブラシレスモーターってどんなモーターですか?」⋙

効率が良い理由

ロータでの二次銅損がないためです。永久磁石を使用しているため誘導電流が流れません。一方、インダクションモータは回転時に二次銅損が発生します。それぞれの違いを内部構造と動作原理を元にご説明します。

インダクションモータ(誘導モータ) IPMモータ(同期モータ) ブラシレスモータ(同期モータ)
内部構造
動作原理 ・ステータでつくられる回転磁界によって、ロータに誘導電流が流れる。

・ロータの誘導電流とステータの回転磁界の作用によってトルクが発生する。

・ロータに誘導電流が流れる際に二次銅損(熱)が発生する。

・ステータの回転磁界とロータの磁石とが同期することでトルクが発生する。

・ロータに永久磁石を使用しているため誘導電流が不要。これにより二次損失(熱)が発生しない。

インバータ同様、速度制御が可能

モータの速度制御にインバータを使用するケースが多く見られます。IPMモータとブラシレスモータもインバータ同様、速度制御が可能です。特にブラシレスモータは速度制御範囲が広く、低速から高速までギヤを変えずに調整できます。また負荷に対する速度の変動(速度変動率)が少ないため、例えばベルトコンベアに使用した場合、ワークの質量が変化しても安定した速度での搬送が可能です。 

ご使用中の製品に相当するブラシレスモータをご紹介します。お問い合わせはこちら ⋙

モーター区分 インバータ + 三相インダクションモータ ブラシレスモータ
回転速度 100~2400r/min 80~4000r/min
トルク特性
対負荷
速度変動率
-3~-15%程度 ±0.2~±0.5程度
参考価格
モータ+回路
90W 23,000円~ 120W 30,200円~

※定格速度において、0~定格トルクまたは許容トルクの負荷をかけたときの回転速度の変化量


期待できるCO2排出量削減効果

ブラシレスモータ:オリエンタルモーター製 

インダクションモータから置き換えた場合:年間86kg/台削減

【条件】モータ出力:60W.一日の駆動時間:12h.年間稼働日数:300日.電力-CO2排出量換算係数:0.519kg-CO2/kWh

IPMモータ:ニッセイ製 

インダクションモータ(IE1相当)から置き換えた場合:年間77.2kg/台削減

【条件】モータ出力:1.5kW.一日の駆動時間:16h.年間稼働日数:250日.電力-CO2排出量換算係数:0.555kg-CO2/kWh




ラインアップ

15W~90kWまでラインアップ。また電源はAC入力だけでなくバッテリ駆動が可能なDC入力もご用意しています。小型の自動機、搬送ロボット(AGV・AMRなど)から大型のポンプや空調施設など、様々な用途で省エネ・CO2排出量削減に貢献します。

ブラシレスモータ IPMモータ
メーカー
オリエンタルモーター

ニッセイ

ニッセイ

富士電機
出力 30~400W
(0.03~0.4kW)
15~400W
(0.015~0.4kW)
50~750W
(0.05~0.75kW)
0.1~2.2kW 5.5~90kW
電圧 単相100-120V.三相200-240V.
単相/三相200-240V
DC24V.DC48V.DC24-48V DC12V.DC24V.DC48V 三相200~230V 三相200~240V.
三相380~480V
代表的な
シリーズ
BMUシリーズBLE2シリーズ
BXⅡシリーズ
BLHシリーズBLVシリーズ
BLVシリーズ Rタイプ
Vシリーズ.
Vシリーズ SDタイプ
GTR ecoシリーズ GNB2シリーズ.
GNF2シリーズ
使い分け 高性能スピードコントロールモータの最高峰。直観的な操作でカンタンに使えるシリーズから、サーボモータのように高精度な位置決めが可能なシリーズまで幅広くラインアップ。 バッテリ駆動が可能。またI/O制御、Modbus(RTU)、CANopen、FAネットワーク制御など、様々なインターフェイスに対応。 DC12Vのバッテリでも駆動が可能。また高出力750Wまでラインアップ。 ブラシレスモータにはない、400W(AC入力の場合)以上の用途におすすめ。 5.5kW~90kWまでラインアップ。高出力モータが求められる大型のポンプや空調施設におすすめ。

まとめ

カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現、またSDGs(Sustainable Development Goals)の「13 気候 変動に具体的な対策を」など、今や地球温暖化や気候変動への対応は世界共通の課題と言っても過言ではありません。モータはさまざまな機器の駆動源となりますので、今回ご紹介したIPMモータ・ブラシレスモータの採用により生産現場での省エネ活動・改善活動に貢献できます。
また、工場で多く見られる制御盤の省エネに貢献する高効率プロペラファンや温度スイッチもご用意しています。こちらもあわせてご検討いただき『CO2ゼロ工場』の実現にお役立てください。

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